THE LAMB LIES DOWN ON BROADWAY

(邦題・眩惑のブロードウェイ)



日本フォノグラム RJ-6020

SIDE-A
THE LAMB LIES DOWN ON BROADWAY
FLY ON A WINDSHIELD
BROADWAY MELODY OF 1974
CUCKOO COCOON
IN THE CAGE
THE GRAND PARADE OF LIFELESS PACKAGING

SIDE-B
BACK IN N.Y.C
HAIRLESS HEART
COUNTING OUT TIME
THE CARPET CRAWLERS
THE CHAMBER OF 32 DOORS

SIDE-C
LILYWHITE LILITH
THE WAITING ROOM
ANYWAY
HERE COMES THE SUPERNATURAL ANAESTHETIST
THE LAMIA
SILENT SORROW IN EMPTY BOATS

SIDE-D
THE COLONY OF SLIPPERMEN
i.THE ARRIVAL
ii.A VISIT TO THE DOKTOR
iii.RAVEN
RAVINE
THE LIGHT DIES DOWN ON BROADWAY
RIDING THE SCREE
IN THE RAPIDS
IT

A面
眩惑のブロードウェイ
風防ガラスを探して 
1974年のブロードウェイ・メロディ
おかしな繭のなか
囚われのレエル
生命なき人形の大行進

B面
追憶のニューヨーク
ヘアレス・ハート/間奏曲I
カウンティング・アウト・タイム
カーペット・クロール
32の扉の部屋

C面
百合のようなリリス
ウェイティング・ルーム/間奏曲II
エニイウェイ
超自然的な麻酔手
妖婦ラミア
エンプティ・ボート

D面
スリッパーマンの居留地
i.到着
ii.ドクター・ダイパーを訪ねて
iii.ワタリガラス
峡谷/間奏曲IV
ブロードウェイの光は死に絶えて
断崖のレエル
急流との戦い
イット


A面
眩惑のブロードウェイ
ウインドのハエ 
1974年のブロードウエイ・メロディ
カッコー
イン・ザ・ケイジ
グランド・パレード

B面
バック・イン・N.Y.C
無毛の心
カウンティング・アウト・タイム
カーペット・クロール
ザ・チェンバー・オブ・32・ドアーズ

C面
白百合のような乙女
ウェイティング・ルーム
エニウェイ
不思議な魔術師
蛇魔女
エンプティ・ボート

D面
ザ・コロニー・オブ・スリッパーメン
i.アライバル
ii.ビジット・トゥ・ザ・ドクター
iii.大ガラス
峡谷
ライト・ダイズ・ダウン・オン・ブロードウェイ
ライディング・ザ・スクリー
早瀬
イット

※なぜか1stプレスはライナーノーツと帯に書いてある邦題が違うというお粗末な展開。こちらは帯に書かれていた曲名。
発売年とか録音データとか。

RELEASED NOVEMBER 1974
PRODUCED BY JOHN BURNS/GENESIS
ENGINEERED BY DAVID HUTCHINS
SLEEVE DESIGN AND PHOTOGRAPHY BY HIPGNOSIS
SLEEVE NOTES BY PETER GABRIEL
RECORDED AT GLOSSPANT, WALES, WITH THE ISLAND MOBILE STUDIO,
AND MIXED AT ISLAND STUDIOS, LONDON, AUGUST~OCTOBER 1974

演奏者とか使用楽器とか

TONY BANKS/KEYBOARDS
MIKE RUTHERFORD/BASS GUITAR, 12-STRINGS GUITAR
PHIL COLLINS/DRUMS, VOCALS, PERCUSSION, VIBES
STEVE HACKETT/LEAD GUITARS, GUITARS
PETER GABRIEL/LEAD VOCAL, FLUTE, AND STORY
BRIAN ENO/RESPONSIBLE FOR "ENOSSIFICATION" on"THE WAITING ROOM"
GRAHAM BELL/CHORAL CONTRIBUTION

中島の大絶賛コメントコーナー!
Peter Gabriel在籍最後のアルバムにして2枚組というヴォリュームのロック・オペラ。これまでもシアトリカルな演奏へとスタイルを変化させていった経緯を考えれば、レコード2枚分のストーリーが作品として創られるのは自然な流れだったかもしれません。さて、そんなストーリーは繋がって展開していくが(ちゃんと繋がっているのか?)、楽曲は独立して楽しめるようにはなっている(なっているのか?)ので、個人的には難解ではないと思っているのだが、歌詞だけを追っていくと、?マークが何個も付いてしまう。場面展開がリアルなニューヨーク・シティから主人公レエルの内面的な世界に入っていくと、もうPeter Gabrielワールド。正直、よくわかりません。このアルバムを制作後、Peter GabrielはGENESISを脱退。彼が偉かったのは、アルバムに伴うツアーを終わらせてから脱退したことだ。一方で、100回以上行なわれたという大規模なツアーは断片的にしか映像が残されておらず、結果として謎の多いツアーになってしまった。何百枚ものスライドを3面のスクリーンに映し出す演出も、カメラマンのロバート・エリスが収めたカメラ・フィルムによって、ようやく映された順番が把握できたという記録が残されている。このロバート・エリス、70年代を中心に色々なミュージシャンのコンサート風景を記録し、以下のサイトで出版もしている。The Lamb Lies Down On Broadway:Ultimated Recordという写真集は全編このツアーの内容となっている。その恩恵に授かったのは、2008年にリマスター音源のボーナスディスクにおけるスライドショーの再構築と、そのスライドを使用してトリビュート・ショーを行なっているカナダのThe Musical Boxだ。 さて、レコード2枚分のヴォリュームを埋め尽くすのは、RAEL(レエル)というプエルトリカンの主人公が旅をする摩訶不思議な物語。これが、精神世界の旅なのか何なのかは、リスナーの想像力に委ねられている。メインとなる舞台はニューヨーク。当時、20代の半ばだった英国ミュージシャンたちが舞台をブロードウェイに選んだのは大胆なチャレンジだった。ニューヨークと言う現代社会と内省的な世界が交差していく様はリスナーをさらに難解な世界へ誘っているようだ。煌びやかなピアノに導かれてストーリーがはじまる。そして、匂いまで伝わってきそうなハエの飛ぶ音。この効果音でさえ、リアルなものをつかうのではなくギターで奏でている。Peter Gabrielの詩を受けてのSteve Hackettによる表現方法と思われるのだが、こういうアイデア表現もこのバンドの非凡なところだ。そういったギミックがいたるところに出てくる(あ、The Waiting Roomの猫の鳴き声はギターでもないし、ENOのお手柄でもないよ。Arp Prosoloistのプリセットでそのまま出せます)。このストーリー、元々はMike Rutherfordによりサン-テグジュペリの星の王子さまが提案されたが、「気取ってる」「おとぎ話は時代遅れ」とPeter Gabrielの反対にあい、結果、Peter自身が全歌詞を手がけることになる。そこからはじまる100分近いドラマは当時90分のカセットテープに収まらないヴォリューム。タイトル曲のエンディングには、The Driftersの「On Broadway」の一節が挿入され、「In The Cage」では「Rain Drops Falling' On My Head」とB.J.トーマスの「雨にぬれても」の一節が挿入される。Rolling Stonesの「It's Only Rock'n'Roll, But I Like It」は1974年の冒頭に発売され、ラストの「it」でフレーズを変え披露される。そういえば、ヒプノシスのストーム・トーガーソンが初の個展を渋谷PARCOで開催した際、このアルバムの中ジャケットに子羊ではなく子供のトラが横たわっていることが気になって突撃インタビューを行ないました。本人は笑いながら「子羊がいなくてね」と言ってました。その真意はジョークなのかなんなのか、今となってはわからないです(笑)。

【備忘録】各国でさまざまなシングル曲が発売されたが、シングル盤だけでしか聴くことのできない音源がある。
Counting Out Time / Riding The Scree
UK盤のみ逆回転のイントロがプラスされている。B面曲も前曲のArp Prosoloistによる音がクロスしないので単体で聴けるのは貴重。
The Carpet Crawl / Evil Jam (Live)
UK盤のみイントロのアルペジオが4小節多いヴァージョン。B面はL.A.のShrine Audtriumでのライヴ。Archive #1 1968-1975が発売されるまでは未発表音源だった。ただし、ミックスダウンがまったく違うので、単体としては貴重。日本盤の初回プレスにはC面1曲目の「Lilywhite Lilith」が片チャンネルしか収録されていないというプレス・ミスがある。それが高価なレア盤となって取引されてしまうので困ったものだ。またCD化に際し、アメリカ盤の1stプレスはイントロのピアノの弾き始めから収録されている。他はフェイドイン。国ごとのプレスによって細かい違いがある。曲によってはツインヴォーカルとなるPhil Collinsのパートだが、「The Colony of Slippermen」におけるJohnのパートをPhil Collinsが単独で歌っている。ただしスタジオ盤のみ。
Side A
Counting Out Time

Side B
Riding The Scree
当初はシングルカットの予定があったのだろう。中央の穴のカットが2ヴァージョン存在する。私の持っているのはこっち。長尺の曲を編集せず収録している。
Side A
Counting Out Time

Side B
Riding The Scree
イタリア盤。ペーパスリーブ付き。A面のイントロはUK盤と違うが、強引なぶった斬り編集となっている。

Side A
Counting Out Time

Side B
Riding The Scree

スペイン盤。ジャケットが珍しい。ただ前の前のツアーのコスチュームなのが不思議。写真がなかったのかしら?

Side A
Counting Out Time

Side B
Riding The Scree
ポルトガル盤。ペーパスリーブ付き。これまた以前のツアーからの写真を使用している。
   
 
 


 

Side A
The Carpet Crawl

Side B
Evil Jam
(The Waiting Room Live)
2枚目のシングルカット曲。B面はL.A.のShrine Audtriumでのライヴ。
Side A
Carpet Crawl

Side B
The Lamb Lies Down On Broadway
イタリア盤。カップリングはタイトル曲となっている。
Side A
The Carpet Crawlers

Side B
Evil Jam
(The Waiting Room Live)

ポルトガル盤。B面はL.A.のShrine Audtriumでのライヴ。

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